平成20年9月8日、中国新聞にインタビュー記事が掲載されました。

親の期待に敏感な子への接し方

親の期待に応えたい、いい子だと思われたい―。「頑張りすぎて自分を追い込む子どもが増えている」。子育てハッピーアドバイスシリーズ(1万年堂出版)の著者で精神科医師の明橋大二さんは、そう感じている。「いい子」が抱えるプレッシャーに、親は気付くことができるか。どう向き合えばいいのか。講演で広島市を訪れた明橋さんに聞いた。 「まさに象徴的なケース」と、明橋さんはある事件を挙げた。七月、埼玉県川口市で起きた女子中学生による父親殺害事件。取り調べで少女は「成績が下がったことを親に知られたくなかった。自分も死のうと思った」と話しているという。「嫌われないように生きるのが疲れた」…。供述から透けて見える繊細な心模様。「親の期待を先取りし、自分を駆り立てながら必死で生きてきたのだろう」と明橋さんは推察する。 診察に通ってくる中高生の中にも、敏感すぎる子どもたちは増えているという。たとえ親が「成績だけがすべてではない」と言ったとしても、「それは口だけで、がっかりするに違いない」と自分を追いつめる。でもいつか、限界が訪れる。要求を満たせなくなる。「子どもたちは、こう思うんです。“自分はここにいてはいけない、生きていてもしかたない”と」 親の言葉のかけ方次第で子どもは救われる、と明橋さん。「あなたの存在そのものが喜びなんだよと、しっかり伝えてほしい。親はそんな当たり前のこと…と思うかもしれない。でも、伝えないと子どもは分からないんです」と強調する。 子どもが“失敗”したときこそ、親が気持ちを伝えるチャンスという。例えば、いつもテストで百点の子が八十点を取ってきたら―。「笑って語りかけてほしい。『頑張りすぎて、しんどくないかなと心配してたよ。お母さん、むしろ安心した。ありのままのあなたでいいんだよ』って」 手のかからない、いい子。背伸びして、人一倍努力をする子。苦しいというサインを出せない子どもを、責めるわけにはいかない。「だから親が気に掛けてあげてほしい。“頑張れ”よりも“頑張ってるんだね”と、気持ちに寄り添ってほしい」(木ノ元陽子) あけはし・だいじ 1959年、大阪府生まれ。精神科医師。 真生会富山病院心療内科部長。 著書「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(1万年堂出版)は計250万部を突破した。 富山県射水市の特定非営利活動法人(NPO法人) 「子どもの権利支援センターばれっと」理事長。
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